2009/08/10

マルセイユタロット研究4

<ポール・マルトーのタロット>

カモワン版以外で、もっとも普及しているマルセイユ・タロットは
いわゆるグリモー版と呼ばれるデッキでしょう。

Grimaud_2

グリモー版は、タロットを扱っているネットショップであれば
たいてい扱っています。
このグリモー版といわれているタロットは、グリモー社から1930年に出版されたもので、ポール・マルトーが作成したものですが、これは「アルノー 1748」と署名の入ったブサンソン版と呼ばれるタロットの複製なのです。

いわば、20世紀初頭の時期に、マルセイユタロットの復元版のような形で出版されたタロットなのです。

これはそれまで手刷りだったものが時代とともに機械印刷に変わった際、初期の機械印刷が4色でしか印刷できなかったため、手刷りの多色刷りから色を削減することを余儀なくされたからだと言われています。
そのため、色彩にこめられた重要な意味がこの段階で失われてしまったことになります。しかしこのタロットは、その販売努力によって、世界中に広まり、成功を収めました。
結果日本でもマルセイユタロットといえば、このグリモー版ということになったようです。

2009/06/21

マルセイユタロット研究3

<古いマルセイユタロット>

フランス国立図書館に古いマルセイユタロットが
保管されているそうです。

それは、年代順に、
ジーン・ノブレのタロット(Jean Noblet、1650)
ジャック・ヴィーブルのタロット(Jacques Vieville、1650)
ジーン・ドダルのタロット(Jean Dodal、1701)
ニコラ・コンヴェルのタロット(Nicolas Conver、1760)

これらのタロットでわかりますが、
製作された場所はマルセイユとは限らないのです。
ノブレとヴィーブルのタロットはパリ、ドダルのタロットはリヨン、
コンヴェルのタロットがマルセイユなのです。

それから、
スイスのゾロトゥルン州にある博物館に保管されている
フランソワ・ショソンのタロット(Francois Chosson、1672)
アヴィニヨンで製作された
ジャン=ピエール・パイアンのタロット(Jean-Pierre Payen、1713)

など他にもまだ数種類あります。
フランソワ・ショソン版は、コンヴェル版のもとになったものだと
言われています。

そして、1898年、ルカールを買収したグリモー社は、
「アルノー(1748)」※と署名したカードを制作しました。
その後1930年に、このカードを基にして、ポール・マルトーが
「グリモー版」を出版しました。
「グリモー版」は現在一般に販売されているもののなかでは
よく知られているマルセイユ・タロットですが、原形をたどれば、
これは実際は、ブザンソン版タロット(Tarot de Besancon)です。
ちなみにグリモー社は、エッティラなど他の種類のタロットも販売しています。

マルセイユ・タロットと呼ばれる理由には、
17世紀から19世紀にかけて、マルセイユに多くの印刷工房が
あったこともあるのですが、
さきほどのポールマルトーが出版する際に、「Tarot de Marseille」
と名づけたからとも言われています。

マルセイユ・タロットがなぜ多くのタロットのもととなったと
言われるのかというと、
その特徴として、描かれている象徴や人物などの絵柄が
伝統として統一されたものがあるからなのです。
そこに描かれた象徴には意味があり、それは一子相伝のように
代々受け継がれてきた秘伝があるのです。
ただ、その秘伝は口伝であり、文献では知ることが出来ません。

※マルセイユタロットの特徴のひとつとして、
数カードのなかのコイン(玉)の2に、
製作者と製作年が署名されています。

ここで紹介したタロットは、こちらで
ご覧になれます。
http://www.aeclectic.net/tarot/cards/marseilles.shtml

2009/06/04

マルセイユタロット研究(余談)

20世紀以降、様々なタロットが多数誕生してきたことは、前の記事で
書きましたが、マルセイユ・タロットの伝統をもったものが
誕生することはほとんどありませんでした。

そんな中、ニコラ・コンヴェルの末裔であるフィリップ・カモワン氏が
自身が口伝で継承した伝統と
代々受け継がれてきたコンヴェル版の版木と文献や
コンヴェル版以外の古いマルセイユ・タロットなどを
数年間かけてホドロフスキー氏とともに
アルカナを探求し、統合して、タロットの絵を再構築して、
フィリップ・カモワン氏自身が描いて出来上がったのが
ホドロフスキー・カモワン版マルセイユタロットです。

カードをご覧になりたい方はこちらへ
http://www.camoin.com/tarot/Vue-du-Diagramme-Camoin-3x7.html

私は、このカードに出会って以来、タロットに魅せられて
そのアルカナと魅力とカード本来の力をたくさんの人にも伝えたくて、
講師をしているのです。

次の記事では、カモワン版以外のマルセイユ・タロットの
お話をします。

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