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2009/06/21

マルセイユタロット研究3

<古いマルセイユタロット>

フランス国立図書館に古いマルセイユタロットが
保管されているそうです。

それは、年代順に、
ジーン・ノブレのタロット(Jean Noblet、1650)
ジャック・ヴィーブルのタロット(Jacques Vieville、1650)
ジーン・ドダルのタロット(Jean Dodal、1701)
ニコラ・コンヴェルのタロット(Nicolas Conver、1760)

これらのタロットでわかりますが、
製作された場所はマルセイユとは限らないのです。
ノブレとヴィーブルのタロットはパリ、ドダルのタロットはリヨン、
コンヴェルのタロットがマルセイユなのです。

それから、
スイスのゾロトゥルン州にある博物館に保管されている
フランソワ・ショソンのタロット(Francois Chosson、1672)
アヴィニヨンで製作された
ジャン=ピエール・パイアンのタロット(Jean-Pierre Payen、1713)

など他にもまだ数種類あります。
フランソワ・ショソン版は、コンヴェル版のもとになったものだと
言われています。

そして、1898年、ルカールを買収したグリモー社は、
「アルノー(1748)」※と署名したカードを制作しました。
その後1930年に、このカードを基にして、ポール・マルトーが
「グリモー版」を出版しました。
「グリモー版」は現在一般に販売されているもののなかでは
よく知られているマルセイユ・タロットですが、原形をたどれば、
これは実際は、ブザンソン版タロット(Tarot de Besancon)です。
ちなみにグリモー社は、エッティラなど他の種類のタロットも販売しています。

マルセイユ・タロットと呼ばれる理由には、
17世紀から19世紀にかけて、マルセイユに多くの印刷工房が
あったこともあるのですが、
さきほどのポールマルトーが出版する際に、「Tarot de Marseille」
と名づけたからとも言われています。

マルセイユ・タロットがなぜ多くのタロットのもととなったと
言われるのかというと、
その特徴として、描かれている象徴や人物などの絵柄が
伝統として統一されたものがあるからなのです。
そこに描かれた象徴には意味があり、それは一子相伝のように
代々受け継がれてきた秘伝があるのです。
ただ、その秘伝は口伝であり、文献では知ることが出来ません。

※マルセイユタロットの特徴のひとつとして、
数カードのなかのコイン(玉)の2に、
製作者と製作年が署名されています。

ここで紹介したタロットは、こちらで
ご覧になれます。
http://www.aeclectic.net/tarot/cards/marseilles.shtml

2009/06/04

マルセイユタロット研究(余談)

20世紀以降、様々なタロットが多数誕生してきたことは、前の記事で
書きましたが、マルセイユ・タロットの伝統をもったものが
誕生することはほとんどありませんでした。

そんな中、ニコラ・コンヴェルの末裔であるフィリップ・カモワン氏が
自身が口伝で継承した伝統と
代々受け継がれてきたコンヴェル版の版木と文献や
コンヴェル版以外の古いマルセイユ・タロットなどを
数年間かけてホドロフスキー氏とともに
アルカナを探求し、統合して、タロットの絵を再構築して、
フィリップ・カモワン氏自身が描いて出来上がったのが
ホドロフスキー・カモワン版マルセイユタロットです。

カードをご覧になりたい方はこちらへ
http://www.camoin.com/tarot/Vue-du-Diagramme-Camoin-3x7.html

私は、このカードに出会って以来、タロットに魅せられて
そのアルカナと魅力とカード本来の力をたくさんの人にも伝えたくて、
講師をしているのです。

次の記事では、カモワン版以外のマルセイユ・タロットの
お話をします。

2009/06/02

マルセイユタロット研究2

さて、マルセイユタロットは、とても魅力的なカードですが、
タロットのことを知らない人にとっては、
マルセイユタロットがどんなものなの?
タロットっていっぱいあるけれど、どこが違うの?
と思う方は多いと思います。

実は、わたしも最初はその区別や違いなどは全く知らずに、
カモワン版マルセイユタロットから入りました。

よく使われているカードの1つに
ウェイト版というカードがあります。
別の言い方でライダー版という言い方もありますが
まったく同じものです。ライダーというのは出版社の名前です。
これは比較的新しいカードで、
1909年に、つまり20世紀になってから、アーサー・E・ウェイト
というオカルト研究の第一人者の人が監修し、
パメラ・スミスという画家に描かせ出版したカードです。
タロット研究家の伊泉龍一はその画家に敬意を払って、
ウェイト-スミスパックと呼んでいます。

そのほかには、現代のカードとしては、クロウリー版といって、
ウェイトと同じ秘密結社に属していた
アレイスター・クロウリーが監修し、
レディ・フリーダ・ハリスという画家に描かせたカードなど
もあります。
これは、クロウリーの著作で1944年に出版された「トートの書」
の挿絵だったものを、クロウリーの死後、カードとして
出版したものなので、トート版ともいいます。
アレイスター・クロウリーは、あのビートルズがとても気に入って
いた魔術師であり、サージェントペパーズのアルバムジャケットの
中の一角に顔写真があります。

20世紀に入ってこれらのカードが誕生したことが刺激となり、
戦後、ニューエイジの手によって
次々に新しいカードが誕生していき、
今も市場に多くのタロットがあふれているのです。

マルセイユタロットは、先の記事でも書きましたが、
これらのカードよりも前の
17世紀から18世紀頃に普及していたカードです。

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